終活に関連する「終活全般、お墓・墓地・霊園、葬儀、相続・遺言、生前整理、仏壇・仏具、介護、住宅リフォーム、保険、旅行ほか」について、知りたいことや疑問に思うことなどを、質問形式で解説します。
「遺言・相続」のご質問と回答 | 終活に関連することについて質問形式で解説します
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今年の誕生日で70歳になります。妻と子供が3人おりますが、最近健康面で少し不安があるので、そろそろ遺言書を作成しておこうと考えております。 そこで、遺言書の種類と特長について教えてください。
回答:遺言書には7つの形式がありますが、今回は、普通方式遺言の一般的な遺言書「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」についてお教えいたします。
「自筆遺言書」とは、その名の通り、自分だけで遺言書が作成できる最も簡単な方法で、「その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない」と規定された遺言方法の一つです。
2019年1月13日に制度が改正され、「遺言書に添付する『財産目録』は、パソコンなどの自筆(手書き)でないもので作成できる。」ことになりました。
自筆証書遺言書は、手書きで作成できるので費用はかからないため、とても手軽でメリットがある半面、遺言書を見つけた遺族は、遺言書としての体裁を保っているかの判断を仰ぐために家庭裁判所の「検認」を受ける必要があったり、法律で定められた要式が欠けてある場合無効になるなどリスクがあります。
※補足※(2020年7月10日)
2020年7月10日から、一定の様式で作成された自筆証書遺言の遺言書を、法務局が遺言者等に代わって保管してくれる「自筆証書遺言書保管制度」という制度が施行されました。
この「自筆証書遺言書保管制度」を利用することで、遺言書の保管を法務省が行ってくれるので、遺言書作成後の紛失や、相続人等による破棄・隠匿を回避することができます。
また、自筆証書遺言の方式(民法968条)のとおりに遺言書が書かれているかを遺言書保管官が確認してくれますので、書式(方式)の不備による遺言の無効を回避することができます。
このことにより、相続実行時の検認は不要となりました。
「公正証書遺言」は、遺言者が公証人へ口頭で遺言の内容を伝え、公証人に遺言書を作成してもらう遺言のことです。
自筆証書遺言や秘密証書遺言と違い無効になりにくく、公正役場で作成し管理されるため偽造の心配もありません。
相続手続きをする際は、家庭裁判所の検認は不要となります。
公正証書遺言書を作成するときには、公証人への手数料と、証人2名、証人への手数料が必要となります。
原本は公証役場に、正本と謄本は本人の手元に保管しますので、紛失の心配も必要ありません。
遺言書としての確実性を求めたいなら、公正証書遺言がオススメですが、証人が必要なため遺言の存在と内容を公証人や証人に知られてしまうので、誰にも知られたくない秘密があるなら、自筆証書遺言にしたほうがいいでしょう。
遺言書の形式は、他にも、普通方式遺言では「秘密証書遺言」、特別方式遺言には、「危急時遺言(一般危急時遺言・難船危急時遺言)」と「隔絶地遺言(一般隔絶地遺言・船舶隔絶地遺言)」がありますが、一般的には、「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」で作成される方がほとんどです。
なお、遺言書の作成をされる場合は、内容の不備などによりご家族が辛い思いをしないためにも、法律の専門家である弁護士の助言をもらい遺言書作成し、可能なら遺言の執行まで準備しておくとが大切です。