節税ができる(相続税がかからない)
故人の財産を受け継ぐと、その財産に対し相続税が課せられますので、死後に故人が遺族に残した「お墓を建てるための費用」が含まれる現金についても、もちろん、相続税の課税対象となります。
しかし、生前に建てられたお墓や仏壇、位牌などは「祭祀財産」となるため、相続税が免除されますので、ご遺族への相続税の負担を軽減するために、生前墓を購入しようと考える方がいるようです。
ご遺族のご負担を軽減できる
ご家族を亡くしたご遺族にかかる負担は、葬儀の準備や参列者の対応、後片付けや遺品整理など計り知れず、体力も使い、精神的にも大きな負担となります。
お墓だけでも生前に準備しておけば、残された方達の負担を軽減することができます。
ご自身の希望するお墓を建てることが出来ます
生前、ご家族に「どの場所にどのようなお墓を建てて欲しい」と伝えたとしても、ご自身が亡くなった後では、ご希望通りのお墓が建ててもらえるかはわかりません。
生前墓では、墓地の場所の選定や、石材や、お墓のデザインなど、生前なので時間的制限がないため、時間をかけて妥協することなく、ご自身が納得できるお墓を建てることができます。
また、交通のアクセス面や「バリアフリーになっているか?」や、トイレや休憩所などは清潔に保たれているか?など、将来ご家族がお墓参りに来る際に不便が無いように細かく想定してチェックすることできます。
次に、生前墓を建てる際の注意点についてご説明いたします。
ご自身の希望どおりのお墓が建てられる生前墓ですが、建てる際にはいくつかの注意点があります。
維持費が余分に必要となります
生前墓は、納骨されていなくても、お墓を確保した時点から維持費(管理費)やメンテナンス費用、お布施などの様々な費用が発生します。
誰も埋葬されていないお墓のために、維持費を支払うことが負担と感じることもあると思いますので、しっかりとタイミングを考え、維持費などについてはご家族と十分に話し合ってから、お墓を建てるほうが良いでしょう。
墓地・霊園の規定(ルール)の確認が大切です
墓地や霊園など、施設によっては、「お墓を建てた場合は、○年以内に納骨しなければならない。」など、独自の規定を設けている場合がございます。
生前墓の場合は、「○年以内に納骨します」などの約束をすることは難しいのため、このような規定を定めている施設が多いので、後々トラブルにならないように、事前に規定などを確認することが大切です。
生前墓が断られることもあります
生前墓を、全ての霊園や墓地が認めているわけではありません。
特に公営墓地や納骨堂などでは、応募条件の1つに「納骨する遺骨があること」を明記している場合が多いようですので、事前に条件などを確認しておきましょう。
なお、生前墓の非課税対象は生前に支払った金額分だけが対象ですので、ローンの残債分は債務控除の対象とならないので生前のうちに完済するように注意が必要です。
なお、早めにお墓を建てると、お墓を建てた後に、もっと条件の良い霊園や墓地が見つかることがあります。
そのようなことにならないように、慌てずにご家族とよく話し合い、条件面など詳しく精査した上で、ご家族の皆様がお互いに納得できる生前墓を建てることが大切ではないでしょうか。
次は、生前墓をお考えの方のために、お墓の種類についてご説明いたします。
お墓には、先祖代々お墓を継承していく家墓のような一般的なお墓と、跡継ぎ(承継者)がいなくても、お寺や霊園が存続するかぎり、お墓の供養と管理をしてくれる永代供養墓があり、昨今、この永代供養のお墓の人気が高まっているようです。
まず最初に、一般墓と永代供養墓についてご説明いたします。
家墓(いえはか)
一般墓とは、主に「家墓(いえはか)」と呼ばれる先祖代々のお墓のことで、その家の先祖から子孫へと引き継がれていくお墓のことです。
墓所の区画の永代使用権を取得し、墓石を建てる形式のお墓で、供養はご家族や近親者が行います。
墓石に刻まれる墓碑銘は「〇〇家」、「〇〇家代々の墓」や、「南無阿弥陀仏」などが一般的です。
家墓は一般的に、その家の長男が墓を継承し、ご家族を代表して供養を行い墓の管理をするケースが多く、基本的に代々長男ご家族が葬られ、それ以外の男児のご家族は新たに別のお墓を建てることになります。
- 【メリット】
-
- 家族代々受け継がれるため、ご先祖様への敬意や感謝の気持ちが認識できる。
- 【デメリット】
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- お墓を継ぐ人がいなくなった場合には、無縁墓とならないために墓じまい等を検討しなければなりません。
- 墓じまいの際は、墓地の墓石を撤去し、更地に戻してお寺や霊園に返還しなければなりません。
なお、お墓の墓石はご自身で購入して建てますが、墓地は借り物です。
新たにお墓を建てる際は、お寺や霊園に「永代使用料」を払い、「永代使用権」を取得したうえで墓石を設置します。
永代使用権とは、お墓を継承していく人がいる限り、永代に渡ってその土地を使用できる権利のことで、それぞれの霊園や墓地により「使用規定」があります。
ここでいう「永代」とは「未来永遠」という意味ではなく、継承者がいる限りという有期限であり、もし継承者が途絶えると他の方のご遺骨と一緒に合祀されます。
家墓は、代々長男の家系が継承していきますが、少子化が進んだ近年、お墓の継承者(息子)がいないご家族が増えたことで、次に説明する両家墓というお墓のスタイルも増加傾向にあるようです。
両家墓
両家墓(りょうけはか・りょうけぼ)とは、二つ(複数)のご家族を一つにまとめたお墓のことで、昔からある形式です。
一人娘が嫁いだなどで、お墓を継承していく人がいなくなり、将来的にご自身の家のお墓を維持できない場合に、嫁ぎ先で夫婦それぞれの先祖を祀る事が出来ます。
両家のお墓なので、墓石には両家それぞれの家名と家紋を入れたり、広い墓所に両家のお墓を二つ建てる2つのタイプがあるようです。
最近では、「一つの墓所に両家のお墓を建てるタイプ」は、費用も多くかかることと、墓相的な観点からあまり良くないとも言わていることから、「一つのお墓に両家の家名を入れるタイプ」が主流のようです。
両家墓を建てる場合は、両家で新しく建てるか、別の場所にある墓を改葬(合祀)して1つの墓にまとめる事になります。
なお、両家墓を建てる際は、両家のご遺骨が一緒に埋葬されることになりますので、両家の親族に配慮し、お互いの親族間で十分に相談することが大切です。
- 【メリット】
-
- お墓が1ヶ所になるので、墓参りが一度に出来、お墓の維持・管理もしやすくなり、ご遺族の経済的負担なども軽減されます。
- ご両家のコミュニケーションを図るきっかけにもなります。
- 【デメリット】
-
- 両家で宗派が異なる場合は、宗派を問う墓地などには建墓できないこともあります。
基本的に、一般墓については、お墓の継承者がいなくなると墓じまいをしなければならず、少子化が進む日本において、お墓の継承問題は悩みの種となってきております。
そこで最近、お墓を管理する人がいなくても、お寺や霊園などでお墓の管理・供養をしてくれる「永代供養のお墓」の需要が高まってきております。
永代供養墓
「永代供養」とは、お墓を管理する継承者がいない場合、身内などに代わって寺院や霊園などがご遺骨を預かり、長い年月(永代)にわたり供養や管理を行ってくれる供養方法(システム)のことです。
少子高齢化が進む日本において、ここ最近需要が高まってきております。
お墓参りは自由にできますし、将来お参りする人がいなくなっても、無縁仏・無縁墓になる心配はありません。
お墓の定期的な供養や、草むしりや掃除などといった管理や維持をお寺や霊園に任せられますし、基本的に費用もかかりません。
永代供養墓は、ご遺骨は「合祀(ごうし)」されるのが一般的で、最終的にはご遺骨を骨壺から出して、様々な人のご遺骨と共にひとまとめに埋葬しますので、購入費用は、一般的なお墓を建てるよりも比較的安価であると言われています。
納骨スタイルは「合祀型」と「個別型(ご遺骨安置)」の2つのタイプとなります。
合祀型:ご遺骨をお墓の下の合祀スペースに散骨いたします。
個別型:空いているご遺骨安置スペースにご遺骨を骨壺に入れて安置いたします。
※ご遺骨の個別の安置期間(主に、7~33回忌後)が設定されており、期限がきたら合祀される場合が多いようです。
永代供養墓の費用には主に下記になります
・永代にわたって供養・管理していただける永代供養料
・納骨時の法要のお布施
・墓誌に名前を彫る刻字代
費用の目安:10万円~100万円程度
※永代供養墓の立地や造りなどによって価格は異なります。
※年間の管理費などはかかりません。
※利用料金は1名あたりとなっていますので、埋葬する人数分だけ利用料金がかかります。
永代供養にかかる費用は、利用する施設によって変わりますが、
合祀型で10~30万円、
個別型で30~100万円が相場と言われております。
なお、ここでいう「永代」とは、
「未来永劫」という意味ではなく、
遺骨の安置(個別供養)期間には一定の期限が設けられていることがほとんどで、期間が過ぎると他の方のご遺骨と一緒に合祀されます。
個別供養の期間もさまざまで、三十三回忌までを期限とされるところが多いようですが、十七回忌から五十回忌までかなり幅があり、期限などの詳細については、
事前にお墓の管理者に確認するようにしましょう。
永代供養のメリット・デメリットは主に下記になります。
- 【メリット】
-
- 共有のお墓に埋葬されるので、建てる費用はかからず、使用料も安く抑えられます。
- お墓の定期的な供養や、草むしりや掃除などといった管理や維持をお寺や霊園に任せられますし、費用もかかりません。
- 遺骨の有無に関係なく、生前に申込みができます。
- お墓の継承者がいなくても、無縁墓になる心配はございません。
- 【デメリット】
-
- ご遺骨は合祀の後は取り出すことはできず、改葬することもできません。
- お墓が他人と共同であるため、故人の存在を希薄に感じて、お墓参りが疎遠になってしまう方もいらっしゃるそうです。
永代供養のお墓のタイプは主に「個別墓」「集合(共同)墓」「合祀墓」「納骨堂」、そして「樹木葬」という5つのタイプに分けられますので、一つずつ説明していきましょう。
最初は一般的なお墓と同様に個人のお墓に埋葬した後、一定の供養期間が経過すると個人墓から骨壺ごとご遺骨が取り出され、永代供養墓(合祀墓)に移され、永代供養される形式です。
※供養期間は寺院・霊園によって様々ですが、33回忌を契約期間とすることが多いようです。
永代供養の個別墓にも、様々な種類がございます。
個人墓
個人墓とは、個人で入る一人用のお墓のことです。
生涯独身だった人や夫婦で別々のお墓に入る選択をした人が建てるお墓です。
多くの場合、お墓を承継する人がいなので永代供養の契約となり、ご納骨後は墓地や霊園の管理者が契約期間内(33回忌までなど)はお墓を供養・管理し、供養期間が経過すると、個人墓から骨壺ごとご遺骨が取り出され、永代供養墓(合祀墓)に移され、永代供養されるのが一般的なようです。
- 【メリット】
-
- 好きなデザインや立地など、ご自身の希望通りのお墓が建てられます。
- 【デメリット】
-
- 継承する方がいない一代限りのお墓となることが多いので、後の管理や供養方法などを決めておく必要があります。
夫婦(比翼)墓
夫婦墓とは、夫婦二人だけが入るお墓のことで、比翼墓(ひよくぼ)とも呼ばれており、墓石には二人の俗名(生前の名前)か戒名が刻まれます。
お子さんがいらっしゃらないなど、将来、お墓を承継する人がいない場合がほとんどですので、三十三回忌もしくは五十回忌のタイミングでご遺骨が取り出され永代供養にする必要があります。
夫婦墓のシステムは霊園によって様々ですが、生前に年間管理費を何十年分を一回先払いすれば、以降は、管理費やお布施、寄付金など費用は一切かからないことがほとんどです。
- 【メリット】
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- ご自身達夫婦のためだけのお墓をなので、夫婦の趣味や好みに合わせたお墓にすることが可能です。
- 【デメリット】
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- ご夫婦がお亡くなりになられた後の管理・供養について、事前に考える必要がございます。
家族墓
家族墓とは、家族全員のご遺骨を埋葬できるようにした家族用の永代供養のお墓です。
家族墓は、ご両親(夫婦)とその子ども達とが二世代で一緒に埋葬できるといった利用が可能です。
また、家族墓では「どこまでの親族が家族である」といった規約がないので、夫婦や子供といった家族構成に限らず、兄弟姉妹同士で埋葬するといったことも可能となります。
家族墓もやはり、永代供養のお墓なので、他の永代供養墓と同様に、供養の期間は未来永遠ではなく、一定期間が経過するとお墓から骨壺ごとご遺骨が取り出され、永代供養墓(合祀墓)に移され、合葬されるのが一般的です。
- 【メリット】
-
- 一般的な先祖代々のお墓と同様に、家族の墓であることを実感できます。
- 【デメリット】
-
- ご夫婦がお亡くなりになられた後の管理・供養について、事前に考える必要がございます他の永代供養墓と同様に、一定期間が過ぎると他人の遺骨と合祀されることになります。
永代供養墓の費用の目安:30〜200万円程度
※個別利用するお墓のタイプによって価格は異なります。
・費用相場は、納骨堂タイプなら数十万程度、墓石タイプだと 50~200 万円程度です。
このように、個別墓は、お墓を個人(家族)使用する期限が定められており、定められた期間内は一般的な「我が家のお墓」と同じように利用できます。
しかし、設定された使用期限が過ぎた後は、合祀され、お寺や霊園に供養が引き継がれます。
永代供養のお墓のタイプは、墓地・霊園によって異なりますが、上記で説明した一般的な墓石型のお墓のタイプや、納骨堂など、様々なスタイルがあるようです。
そこで次は、最近、都市部で需要が高まってきている「納骨堂」についてご説明いたします。
納骨堂とは、個人や夫婦など様々な単位でご遺骨を屋内施設型「納骨スペース」に安置することができるお墓のことで、継承者は必要なく、納骨堂管理側が永代にわたり供養をしてくれます。
納骨堂は昭和初期から存在し、お墓に納骨するまで一時的にお寺の境内でご遺骨を預かる建物(スペース)のことを言っておりましたが、最近では、お墓の代わりとして利用する納骨施設としてニーズが高まっているようです。
遺骨の供養期間は恒久的とはいえ、一定期間(三十三回忌までなど)遺骨を個別に収蔵した後、期限がきたら永代供養墓などの合祀墓に移して供養することが多いようです。
納骨堂のメリットとデメリットとして、主に下記の点が挙げられます。
- 【メリット】
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- 納骨費や管理費など、費用が低く設定されていることが多いので、お墓に比べて料金が安い。※平均50万円前後
- 交通の便が良いところが多く、屋内のためいつでも快適にお参りできる。
- 承継者がいなくなってしまった場合にも、永代供養をしてもらうことが可能です。
- 生前に予約することが出来ます。
- 【デメリット】
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- ご遺骨の収納期間を設けているところが多く、期間満了時は契約を更新する必要があり、更新し ない場合は、ご遺骨は供養した後に合祀墓として埋葬されることになります。
- 納骨できる人数に制限があるため、追加で制限以上の方を埋葬する場合は、新たに購入する必要 があります。
次に、様々ある納骨堂の種類についてご説明いたします。
「納骨堂」は、屋外型のほかに、屋内型としての主な納骨堂のタイプは、次の「仏壇式」「ロッカー式」「機械式」の3つのタイプとなります。
仏壇式の納骨堂
「仏壇式の納骨堂」とは、仏壇が並んだスタイルの納骨堂のことです。
上段に位牌やお供えのものを置くことができる仏壇があり、下段にご遺骨を安置するスペースがあります。
上段の仏壇スペースの利用に制約はなく、遺影や故人が好きだったお花を飾ったりなど、基本的に自由に使えます。
下段の納骨スペースは複数の骨壺を安置することができるので、一般のお墓のように家族代々のお墓として利用できます。
仏壇式納骨堂は、一区画50万円〜程度となっておりますが、複数人分ご納骨されるケースが多いようです。
費用としては、個人単位で50万円〜、家族単位で約100万円以上が相場となっております。
- 【メリット】
-
- 個別の仏壇があるため、遺影やお花などを飾るなど利便性が高いです。
- ご遺骨を収納するスペースが広く一般のお墓と同様に代々に渡って利用することができるところ。
- 【デメリット】
-
- スペースが広いため、費用が他の種類の納骨堂と比べて高いです。
ロッカー式の納骨堂
「ロッカー式の納骨堂」とは、集合している同じ大きさのお壇に、ご遺骨を安置するタイプの納骨堂のことです。
施設によっては、位牌やお花などを一緒に置くことができるところもあるようですが、骨壺だけを安置するのが基本のようです。
ご骨壷はロッカーのような棚に収蔵してあり、お参りする際は、ご遺骨を出してもらう場合と、参拝用の御本尊がありそこでお参りするケースなど、様々な方法があるようです。
最近のロッカー式は、納骨堂とは思えないくらい素敵なデザインが施された壇も見られるようになってきました。
料金もリーズナブルなものから高いものまで価格帯が幅広く、予算に応じて選択できるようになっています。
費用の目安は、およそ20万~50万円以内が相場のようです。
- 【メリット】
-
- 各故人が個別で安置されているため、故人が身近に感じられるところです。
- 費用面も納骨堂のなかでも比較的安いのが魅力と言えます。
- 【デメリット】
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- 形状自体はどうしても街や駅などで見かけるロッカーのようなデザインが多いので、そのイメージと重なってします。
- 供養物などを置くスペースがないところも不便という方も多いようです。
機械(自動搬送)式の納骨堂
「機械(自動搬送)式の納骨堂」とは、納骨室から参拝スペースまで、故人のご遺骨や遺影などを自動的に運んでくるシステムを導入した、最新式の納骨堂のことです。
通常は、ご遺骨や遺影などが収納された厨子などの収蔵庫は、地下などある納骨室に保管されており、登録してあるカードやタッチパネルなどを使用して呼び出すと、ご遺骨や遺影が保管場所から合同参拝所や参拝スペースに自動的に搬送・移動され、直接お参りすることができるシステムです。
納骨スペースが小さくスペースを有効に活用できるため、ご遺骨の収納数が数百~数万と多くのご安置が可能であるため外観や設備が充実している施設が多く、ホテルのロビーのような雰囲気の施設も見受けられます。
施設によっては、タッチパネルの機能で、お参りの際に故人のメッセージが聞けたり思い出の写真が見れたりと、従来のお墓参りにはなかったサービスもあるようです。
費用の目安としては、50万円~100万円以上が相場です。
- 【メリット】
-
- アクセス便利なところが多いので、好きな時にいつでもお参りできます。
- 基本的に室内なので、お参りに行くときの天気心配がいりません。
- 墓石が無く収納数が多いので、通常のお墓と比べて費用が安いです。
- 【デメリット】
-
- 施設によって参拝できる時間が定められております。
- 一般的に納骨堂はビルの中にあるため、建物自体に耐久年数あるために将来的に不安があるところです。
その他の納骨堂
「墓石式納骨堂」
墓石式納骨堂とは、施設の室内墓地に一般の霊園や墓所と同じように並べた墓石にご遺骨を安置する納骨堂のことをいいます。
霊園と同じように室内に墓石を並べるため「室内墓地」と呼ばれることもあります。
墓石式納骨堂では、一般のお墓と同じ様にお墓に水をかけたり花や線香を供えることもできます。
お墓のご遺骨を収蔵するスペースは広いので、普通のお墓と同じように、ご家族やご先祖や親せきなど一族のご遺骨を納めることが可能になっております。
- 【メリット】
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- お参りする自分の家の墓石があり、墓前に水やお花、線香などを供えることができるので、普通のお墓参りの雰囲気が味わえます。
- 【デメリット】
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- 普通のお墓のように墓石があるため、他の納骨堂と比べると比較的価格が高いです。
「位牌式納骨堂」
位牌式納骨堂とは、内仏様の周りに位牌を立てかける納骨堂のタイプです。
ロッカー式と似ていますが、違うところは、ご遺骨は別の場所に安置されているというところです。形式はご遺骨を安置しているので納骨堂となりますが、お墓というより家のお仏壇に近い雰囲気です。
- 【メリット】
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- ご遺骨の収納のために個別に場所を取らないため、ロッカー式の納骨堂に比べ費用が安いです。
- 【デメリット】
-
- ご遺骨が入っている骨壺が他の場所に他の方と一緒に安置されているため、違和感を覚えたり「故人と向き合えない」と感じる方がおられます。
「合祀納骨堂」
合祀納骨堂とは、供養塔の地下などにあるカロート(ご遺骨を納める所)に他の故人のご遺骨と一緒に合祀するタイプの納骨堂のことです。
施設によっては、最初のうちはご遺骨は合祀されず個別に安置され、一定の期間が過ぎると合祀される場合もあります。
全ての納骨堂に共通して言えることは、永代供養といっても、「永久」という意味ではなく、個別スペースにご遺骨を収蔵してもらえる使用期間は契約で決まっており、基本的に、期限を過ぎるとご遺骨は合祀墓に移動され他の方のご遺骨と一緒に合祀されるところがほとんどです。
また、それぞれの納骨堂はタイプにより、納骨状態や供養内容や参拝方法など条件が異なります。
永代供養墓として納骨堂をお選びになる際は、さまざまな種類の納骨堂の中から、ご自身の供養の希望やご予算にあったタイプを慎重に選びましょう。
なお、納骨堂を選ぶ際は、資料やパンフレットなどを運営会社から取り寄せ、実際に現地に出向き見学などしてご自身の足と目で確認することが大切です。
永代供養のお墓には、その他「集合墓」や合祀される形式もあります。
集合墓での永代供養の場合、最初は、シンボルとなる石碑(合祀搭)の下や中に設けたカロート(ご遺骨を納める所)に、区画に分けてご遺骨(骨壺)を個別に埋葬します。
個人墓や納骨堂と同様で、一定期間(17回忌や33回忌までなど)が経過したら、他の方のご遺骨を一緒に合祀されます。
- 【メリット】
-
- 他の個人墓や納骨堂などの永代供養墓に比べて費用が安く済みます。
- 【デメリット】
-
- 一定期間が過ぎた後は、他の方のご遺骨と一緒に供養(合祀)されるため、ご遺骨を後から引き取ったり、移動(改葬)することができなくなります。
初めから合祀される永代供養
集合墓の永代供養の中でも、個人墓には納骨せずに、最初から他の方々と共同で供養塔に埋葬される形式で、「合祀墓(ごうしぼ)」「合葬墓(がっそうぼ)」と呼ばれるお墓です。
最初からご遺骨を骨壺から取り出し、様々な人のご遺骨と共にひとまとめに合祀墓へ埋葬されます。
埋葬後は、お墓の管理や継承などは、全てお寺や霊園に任せられるので、その後の供養や管理などの維持の心配はいりません。
- 【メリット】
-
- お墓の費用がかなり安価でコストが抑えられます。
- 埋葬後の供養や管理の心配はいりません。
- 【デメリット】
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- 最初から他の方のご遺骨と合祀されるので、埋葬後はご遺骨を移動することはできません。
永代供養のお墓の場合、最終的に合葬、合祀となり他の人の遺骨と一緒に供養されるため、基本的には遺骨を後から引き取ったり移動したりすることができませんので、注意が必要です。
従来ご遺骨は、骨壷に納められ墓や納骨堂などに埋葬に納されることが一般的でした。
しかし、昨今、『亡くなったら自然に還りたい』と望む方が増えてきたことで、墓や納骨堂に遺骨を埋葬せずに、自然(山林や海など)にご遺灰やご遺骨を撒くという「自然葬(しぜんそう)」という埋葬方法が、注目されております。
そんな「自然葬」には、さまざまな埋葬スタイルがあります。次は、主な自然葬についてご紹介いたします
「樹木葬」とは、自然葬の一つで、墓石を置かず、墓石の代わりに樹木や花を墓標(シンボル)として、その下にご遺骨を埋葬するお墓のことで、樹木墓地(じゅもくぼち)や、樹林墓地(じゅりんぼち)とも呼ばれております。
まだ歴史は浅いですが、死後は自然に還り静かに眠ることができるとして、公営・民営を問わず自然志向の方の間で急速な広がりを見せています。
基本的に永代供養がほとんどで、お一人様やご夫婦などの後継ぎを必要としない方々のご利用が多いようです。
樹木葬には、「公園型」や「ガーデニング型」、「里山型」などがあり、埋葬方法も、合祀型・集合型・個別型の3つのタイプなっているようです。
公園(都市)型樹木葬
墓地や霊園内の決められた区画に、目印となる樹木(シンボルツリー)を植え、その周囲にご遺骨を埋葬する方法で、一人に1本の木を植えて墓標にするタイプと、個別区画に埋葬するタイプ、1つの木の下に合同で埋葬するタイプの3つのタイプがあります。
「一人に1本の樹木(花)タイプ」
霊園の中の区画にシンボルツリーを1本植えて、その根元に1人分のご遺骨を埋葬します。
この形式は、一人一人に個別のスペースを確保するには広大な土地が必要となるため、樹木葬の中では費用がもっとも高くなりますが、費用が高いと言っても、100万円を越えることはほとんどないようなので、従来のお墓よりはかなり安くできます。
費用目安:50万~100万円程度
「個別区画タイプ」
霊園・墓地の施設内に、個別の区画をもうけて埋葬するタイプの樹木葬のことです。
1区画内に、個人や夫婦のみご家族のみといった単位で埋葬する樹木葬で、ペットなども一緒に合葬できるタイプもあるようです。
「合同タイプ」
1本の樹木や花木の下に、他の方のご遺骨と一緒に埋葬されるタイプの樹木葬です。
他の方のご遺骨と一緒に埋葬されてしまうので、合祀後は遺骨を返却・取り出すことは不可能となります。
ガーデニング型樹木葬
ガーデニング型樹木葬とは、最近、東京などの都心に多く見られる、草花や造形物を配し芝生と組み合わせた庭園のようなこぢんまりとした樹木葬霊園のことです。
色んな種類の花や植物に囲まれた、明るい庭のような雰囲気のお墓にすることができます。
都市部にあることが多いので交通の便の良いところがメリットでありますが、そのためお墓の規模が大きくなくないので、数多くの樹木や大きな樹木を植樹することが難しいため、自然に還るという意味合いは薄くなってしまうのがデメリットです。
里山型樹木葬
墓地や霊園などの区画ではなく、許可を得た森林区域に埋葬する方法で、自然に最も近いかたちの樹木葬です。
山に自然に生えている樹木の下に埋葬したり、場所によっては埋葬するたび植樹をして、自然環境の保全にも貢献しているケースもあります
埋葬した場所が分かるように、樹木に墓標やプレートをかけて印をつけたり、大きく目印になるような樹木の近くに埋葬することもあります。
自然に還る意味合いが濃い埋葬法ですが、山深い場所に埋葬することが多いため、年月とともに草木が生い茂り墓標が分かりにくいため、参拝や掃除も大変になる可能性があるのがデメリットです。
樹木には樹齢があります。
歳月とともに樹木の成長を見守るとう楽しみはありますが、樹木によっては花や葉が少なかったり、気候の影響で枯れたりすることも考えられますので、10年後20年後まで希望通りのイメージのままという訳にはいきません。
また、普通のお墓であれば、墓石に手を合わせ故人に話しかけたりすることができますが、樹木葬の場合は、個々のお墓というより樹木葬全体に向かってお墓参りをするスタイルになります。
自然に還るという意味合いが一番濃いのが樹木葬ですが、まだ比較的新しい埋葬方法ですので認知度も低く、メリット・デメリット様々あるようです。
また、墓地によってさまざまな定義がありますので、実際に現地に行ってみてご自身の目で確かめたり、ご家族でゆっくり話し合われて決められることが大切です。
永代供養のお墓(埋葬)のスタイルは様々です。
永代供養のお墓の場合、一度埋葬されると、その後、ご遺骨を移動したり変更することは困難な場合がほとんどです。
埋葬後に後悔しないように、どのお墓のスタイルがご自身やご家族に合っているかをじっくり考えて、ご家族を交えてご相談してみてはいかがでしょうか。
散骨葬は、火葬したご遺骨をお墓や納骨堂などに納めずに、遺骨を細かく砕き粉末にして、海や川や山(陸地)などに撒く、葬送(自然葬)のことです。
お骨を全て散骨することもできますが、一部だけを散骨する方もいます。
従来、散骨は、死体等遺棄罪(刑法190条)と墓地・埋葬等に関する法律(墓埋法)に抵触すると考えられてきましたが、1998年6月、旧厚生省(現・厚生労働省)が諮問した懇談会での見解で、「(散骨を)希望する者が相当の節度をもって行う場合は、処罰の対象としない」という見解が出ため、これを機に「散骨葬」が新しい葬送法として認知されるようになりました。
散骨の場所は、海、川、山、空、宇宙と実に多様ですが、山中などの陸地ではなく、海に散骨する「海洋葬」のケースが一般的となっているようです。
海洋葬の種類について
海洋葬とは、粉末にした故人のご遺骨を海に撒く(海洋散骨)の葬送方法のことで、散骨の形式により、次の3つに分けられます。
「個別(チャーター)散骨」
一組だけ個別にチャーター船を貸し切り、船長・添乗員と同乗して散骨場所まで行き散骨をする方法です。
個別の貸切りですので、他のご家族に気にすることなく、ゆっくりと故人との最後のお別れをすることができます。
費用の概算:20万円〜40万円程度
「合同散骨」
2組~3組のご家族が1つの船に一緒に乗り込んで、船長・添乗員と同乗して、合同で沖合に散骨する方法です。
他のご家族と一緒の乗船となりるため日程調整などが必要になりますが、散骨するタイミングや場所は、グループごとにずらして行うなどの配慮はしていただけます。
乗船する人数が多いため、個別散骨より大き目の船でおこなうことが多いので揺れが少ないという点と、費用の面でも個別散骨より格安でおこなえます。
費用の概算:10万円〜20万円程度
「代行・委託散骨」
ご遺族は乗船せずに、海洋での散骨を散骨業者に委託する方法です。
委託された散骨業者は、撮影した写真や散骨証明書を散骨後にご遺族に送付します。
個別ごとに船を出して業者が代行で散骨する「個別委託散骨」もおこなっている散骨業者もあるようです。
費用の概算:3.5万円〜10万円程度
散骨する際は、全てのご遺骨を散骨する方もおられますが、分骨してお墓に納骨し、一部だけを粉末化して散骨する方や、全てのご遺骨を粉末化して、一部を手元供養にし、残りのご遺骨を散骨される方など、人それぞれ散骨のケースは様々です。
散骨葬は、新しくお墓を購入する費用が必要ないということと、お墓を管理する負担がないため、最近、選択肢として選ぶ方が増えてきています。
最近、「将来、遺されたご家族にお墓の維持や管理で負担をかけたくないからお墓はいらない」という方が増えております。
そのような「お墓がいらない」という方のニーズに応えるため、「手元供養」という新しい供養方法が、最近人気を高めております。
「手元供養」とは、故人のご遺骨やご遺灰、形見などを身近(自宅)で管理し供養する方法のことで、自宅供養(じたくくよう)とも呼ばれます。
故人のご遺骨を自宅に安置する場合は、ご自宅の庭にお墓を建ててご遺骨を埋葬することは墓地埋葬法で禁止されていますので、埋葬するのではなく、家の中にご遺骨を安置するという形で故人を供養する「自宅墓」という方法で、手元供養にします。
大切な家族や最愛の人がお亡くなりになってしまったとき、「いつでも故人を身近に感じていたい」や「いつまでも近くで見守っていて欲しい」 などと願いを叶えるために、ご遺骨の入った骨壺をお自宅に安置したり、故人のご遺灰や髪の毛などを小さな容器やペンダントなどに収め、ご自宅に置いたり身に着けることで、いつまでも故人との絆を感じ心の癒しを得ることができます。
手元供養の種類について
手元供養には、二つのタイプがあります。
1、ご遺骨やご遺灰の全てをご自宅に保管する方法
2、ご遺骨やご遺灰はお寺や霊園へ納骨し、一部をご自宅に保管する方法
どちらの方法を選ばれるかは、人それぞれの供養に対する考えによりますが、信仰心の深い方は2の供養方法を選ぶことが多いようです。
手元供養の一般的な方法は下記になります。
「骨壺に入れて手元供養」
単純に、故人のご遺骨を骨壺に入れて供養します。
骨壺は、陶器やステンレス製、ガラスなど材質も多くから選べ、サイズやデザインも多種多様なので、違和感なくご自宅に安置できます。
「アクセサリーにして手元供養」
故人のご遺骨の一部を、ネックレスやイヤリング、ブレスレットや指輪などのアクセサリーに入れて常に身に着けておくことで供養をします。
加工方法は、ご遺骨の一部をカプセルの容器に入れるタイプか、ご遺骨を使って人工宝石を作るタイプとなります。
アクセサリーにすることで、故人をいつも近くに感じらことで気持ちの安らぎを得ることができますが、ご遺骨を身に付けたり加工することに抵抗を示す方もおられるので、周囲の人には予め理解を得ておくことが大切です。
位牌で手元供養
ご遺骨の一部をご位牌の中に納めて、手元供養します。
位牌の素材も、木製からクリスタル製など様々です。
その他にも、ご遺骨を置物やお守りに入れたりする手元供養もあるようです。
「大切な方といつまでもそばにいたい」という想いを叶えるてくれる手元供養は、墓離れが進んでいる日本において、新しい供養方法の選択肢の一つとして、ますます需要が増えそうですが、認知されるようになったのはここ10年ほどのことなので、まだまだ理解度が低いため、ご家族や親族などから反対との意見が出ることも多いようです。
そうならないためにも、手元供養を選ぶ際は、事前に周囲のみんなで話し合い理解を得ることが大切です。
お墓のタイプは、先祖代々から受け継がれている家墓や、ご家族に代わってお寺や霊園が供養してくれる永代供養のお墓、納骨堂、合同墓、樹木葬や散骨、手元供養など多種多様です。
多くのお墓のタイプから、終活の一環として生前にお墓を選ぶ際は、皆さまのご家庭の状況や供養の希望などを考慮した上で、ご家族と十分に相談しながらご自身に合ったお墓選びをいたしましょう。
なお、お墓を選ぶ際は資料だけで検討するのではなく、実際に現地に行ってご自身の目と足で確かめることをおススメします。
また、お墓選びで後悔しないためにも、検討するのは1件のみでなく、複数の候補を比較検討しながら慎重に選ぶことが需要です。