自然葬

「自然葬」とは、ご遺骨を従来のように墓地などの墓標に埋葬するのでなく、海洋や山林などの自然にご遺体やご遺骨を還す埋葬法の形のことです。 広い考え方ですと、土葬や水葬、風葬、鳥葬などの、自然に回帰するような葬送全般も含まれます。

自然葬

自然葬の考え方が生まれた経緯は、母なる自然の大きな循環の中に帰りたいという故人の想いを叶えるためという観点と、墓石や墓標などの人工物や造成された墓地をこれ以上増やさずに、里山などの自然を保護しようとする観点から発祥したと言われております。

自然葬の形式は多種多様ですが、自然葬の中でも人気が高いのが、墓石の代わりに樹木を墓標とする「樹木葬(じゅもくそう)」と、ご遺骨を海洋や山、空などに撒く「散骨葬(さんこつそう)」です。

「樹木葬」
樹木葬とは、墓石を置かず、墓石の代わりに樹木や花を墓標(シンボル)として、その下にご遺骨を埋葬するお墓のことで、樹木墓地(じゅもくぼち)や、樹林墓地(じゅりんぼち)とも呼ばれております。

自然に配慮して樹木を墓標にする考え方は「自然葬」と言えますが、分類としては従来の「お墓」と同じ取り扱いとなっています。

樹木葬の中でも「公園型」や「ガーデニング型」と呼ばれるものは、自然葬というよりも従来のお墓の墓石が樹木になったという意味合いが強く、ここでいう「自然葬」と呼べるのは、墓地や霊園などの区画ではなく、許可を得た森林区域に埋葬する「里山型」と呼ばれる自然に最も近いかたちの樹木葬です。
「散骨葬」
散骨葬は、火葬したご遺骨をお墓や納骨堂などに納めずに、遺骨を細かく砕き粉末にして、海や川や山(陸地)などに撒く、葬送(自然葬)のことです。 お骨を全て散骨することもできますが、一部だけを散骨する方もいます。

散骨の場所は、海、川、山、空、宇宙と実に多様ですが、山中などの陸地ではなく、海に散骨する「海洋葬」のケースが一般的となっているようです。

少子・核家族化が進む日本において、お墓の掃除やお墓の管理をする必要がない自然葬は、お一人様やご夫婦などの後継ぎを必要としない方々や、死後は自然に還りたいと考える方が増えていることで需要が広まっているようです。

自然葬は、一度埋葬されると、その後、ご遺骨を移動したり変更することは困難な場合がほとんどです。
もし、終活の一環としてお墓選びをされる際に自然葬を検討される場合は、埋葬後に後悔しないように、ご家族を交えてゆっくりご相談されることが大切です。