家族葬
「家族葬」とは、家族や親族、親しい友人・知人などの近親者のみで小規模に行う葬儀形式のことです。
『この形式が家族葬』といった明確な定義がありませんが、ご家族や親しい友人を中心とした少人数(10人~30人程度)でのお葬式のことを総称として呼ばれているようです。
密葬と似ておりますが、密葬は後日改めて本葬を行うのに対し、家族葬は近親者だけで葬儀を行い火葬して完結し、日を改めて本葬は行いません。
基本的に、式の流れや必要なこと、儀式などはほぼ一般的な葬儀と同じですが、参列者が少人数で、一人ひとりが故人と生前に深い関わりのあった方なので、故人との別れの想いが反映しやすくなります。
家族葬に向いている方は下記のような方です。
- 故人に近い、身内や知人だけで静かに見送りたい
- 葬儀の規模は小さくしたい
- 小さな葬儀でも、一人ひとり心を込めて見送りたい
- 知人にお声がけしても、あまり大人数にはならない
家族葬のメリットとデメリット
家族葬のメリットとして挙げられるのは、主に下記のような点です。
- メリット1、ゆっくり落ち着いて、故人とお別れすることができる
- 一般的な葬儀では、参列者が多数のため色んな人々に気を配りながら対応しなければなりません。
家族葬は、少人数の身内と気心の知れた方のみで行うので、対応の負担も少ない分、ご家族と親しい知人のみでゆっくり時間をかけて故人との別れと向き合うことができます。
- メリット2、葬儀費用を抑えることができる
- 一般葬に比べて小規模な家族葬は、参列者が少ないので、葬儀にかかる費用を抑えることができます。
しかし、参列者が少ない場合、香典の額も少なくなるので、収支のバランスが大切です。
- メリット3、自由な葬儀ができる
- 家族葬は親しい方のみで執り行うため、世間体にとらわれない自由な形の葬式をすることができます。
また、参列者が少ないので、葬儀の会食は葬儀場でなく一般の飲食店でおこなったり、返礼品は用意しないなど、形式にとらわれることなく自由に決めることが可能です。
逆に家族葬のデメリットとして挙げられるのが下記の点です。
- デメリット1、参列者選びでトラブルになることがあります。
- 家族葬は「親しい間柄の方だけ」という基準で参列者を選びますが、この「親しい間柄」というのはあくまでも個人の感覚でしかないので、後で「自分は故人とは親しいのにどうして葬儀に呼んでくれなかったのか」などと、不満を訴える方が出てトラブルになる可能性があります。
- デメリット2、葬儀後に弔問に訪れる人が多くなる可能性がある
- 葬儀を身内だけで済ませるので、葬儀で故人と別れができない人が多数になってしまいますので、葬儀後にご自宅に弔問に訪れる方も多くなり、その都度ご遺族が個別に対応しなければなりません。
上記の通り、「家族葬」にはメリット面だけでなくデメリットもあるようですので、ご利用の際はトラブルにならないように、ご家族と十分に話し合ってから決められることをおススメします。
なお、葬儀を生前予約し費用を先払いする際は、葬儀会社の倒産などのリスクがありますので、葬儀後に費用を支払うか、もしくは生前契約時に信託会社を利用するのが安心です。