夫婦墓
夫婦墓とは、夫婦二人だけが入るお墓のことで、比翼墓(ひよくぼ)とも呼ばれております。
夫婦墓のタイプも様々なスタイルがございます。
「夫婦墓」のタイプについて
- 個人墓(永代供養墓)タイプ
- 夫婦墓として一番多いタイプは、最初は一般的なお墓の形式で、期限が過ぎると合祀される個別墓(永代供養墓)タイプです。
お墓の墓標は「〇〇家之墓」ではなく、一般的には、右側が夫で左側に妻の戒名が刻まれ、二人の戒名が並んだ時、初めて夫婦墓として成り立ちます。
お子さんがいらっしゃらないなど、将来お墓を承継する人がいない場合がほとんどですので、三十三回忌もしくは五十回忌のタイミングでご遺骨が取り出され合祀されるのが一般的です。
このタイプ夫婦墓は、永代供養がほとんどなので、お墓の管理や供養(法要)は寺院(霊園)がおこなってくれるので、遺されたご家族や親族の手を煩わすことはございません。
生前に年間管理費を何十年分かを一回先払いすれば、以降は、管理費やお布施、寄付金など費用は一切かからないことがほとんどです。
- 樹木葬タイプ
- 墓石ではなく樹木をシンボルツリーとして、その周りに遺骨を納める樹木葬には、一つの区画にご夫婦2人のご遺骨を埋葬する夫婦墓タイプがあります。
埋葬方法は、木の下に小さな納骨室を設置しその中に夫婦の遺骨の入った骨壺を埋葬する方法と、同じ木の下にご遺骨を埋葬する方法があります。
夫婦墓タイプの樹木葬は、永代供養がほとんどですが、なかには年間管理料を支払わなければならないところもあるようです。
- 納骨堂タイプ
- 屋外にある墓地ではなく、ご遺骨を納骨スペースに安置することができる「納骨堂」には、ご夫婦2人が1つの納骨スペースを使用できる夫婦墓があります。
個人墓タイプと同様に、一定期間が過ぎたら専用スペースからご遺骨が取り出され、供養塔などへ合祀されます。
ほとんどの納骨堂は、ご遺骨の管理や供養は納骨堂側で行ってくれる永代供養型です。
このように、夫婦墓と一口にいっても、その種類はさまざまです。
また、夫婦墓とは言っても、ご夫婦二人だけでなく3人以上埋葬されるケースもあります。
例えば、妻に先立たれてしまった夫が再婚して、前妻を納骨していた夫婦墓へ 、後妻も一緒に納骨される場合です。
同じお墓に三人が納骨されたとしても、夫婦墓であることは変わりありません。
「夫婦墓」のメリットとデメリットについて
夫婦墓(永代供養型)には、次に挙げるようなメリットがあります。
- 夫婦に合ったお墓を決められる
- 一般の家族墓と違い、ご自身達夫婦のためだけのお墓をなので、夫婦の趣味や好みに合わせたお墓にすることが可能です。
場所も二人の希望の場所を選ぶことができ、お墓のデザインも自由に好きなものにすることができます。
- 子供や孫に負担を残さない
- 遺された家族がお墓を継承し、管理しながら先祖を供養していくことは大きな負担となります。
お墓の管理のための費用の負担はもちろんのこと、定期的にお墓に行くだけでも相当な負担となってしまいます。
夫婦墓の多くは永代供養なので、お墓の管理・供養(法要)は、寺院がおこなってくれるため、ご家族や親族などに負担や迷惑をかけずにすみます。
管理料も生前に一括で支払えば、管理費をはじめ、お布施や寄付金など費用負担を残さずに済みます。
- 子どものいない夫婦でも利用できる
- 夫婦墓はほとんどが永代供養型となっているため、寺院や霊園がご家族の代わりにお墓の管理や供養をしてくれるので、子供がいないご夫婦の場合でも安心して利用できます。
たとえ墓守がいなくても、お墓が荒れ果てたることもありません。
他のメリットとしては、
ご夫婦一代限りの、先祖代々承継しないお墓なので、寺院や霊園の立地については自由に選ぶことができます。
また、先祖代々の宗派など気にすることなく、ご夫婦で信仰している宗教にあうお墓が選べるのも大きなメリットと言えるでしょう。
逆に、夫婦墓のデメリットとして考えらるのは次のようなことです。
- 最後の納骨に不安が残る
- ご夫婦で最初にお亡くなりになられた故人の納骨は遺された配偶者が行いますが、子供や頼める親族がいらっしゃらない場合は、2人目が亡くなったときの納骨が無事に済むかどうか不安が残ります。
このような場合には、「死後事務委任契約」を締結するなどして、死後の手続きを第三者に委任しましょう。
- 最終的に合祀になってしまう
- 夫婦墓はほとんどが永代供養型なので、一定期間が過ぎるとお墓からご遺骨は取り出され合祀塔などに合祀されます。
合祀されると、他人のご遺骨と一緒になり混じってしまうため、後でご遺骨を個別に取り出すことは不可能になります。
- 子供が複数のお墓参りをする必要がある
- 子供がおられる方が、実家に代々の家墓がありながら夫婦墓を建墓すると、遺された子世代は自分の親の墓と実家の家墓の両方のお墓にお参りをしなければならなくなります。
もし、夫婦墓の管理料を生前に一括支払いしなければ、その費用はお子さんが負担することとなり、実家の家墓の管理と合わせて負担は倍となってしまします。
夫婦墓は、子供たちや子孫、親族などに余計な手間をかけないようにするための、現代の新しいお墓の形です。
寺院や霊園によって、条件面や契約期間、後の費用の有無など様々ですので、事前にしっかり調べて確認しておくことが大切です。