ゆとり墓地についてお教えします

墓地・霊園

 お墓といえば、隣のお墓との隙間がなく、整然と並んでいるのが一般的なイメージではないでしょうか。

しかし、一般の墓地と対照的に墓地スペースにゆとりのある「ゆとり墓地」と呼ばれている墓地タイプが、最近人気となっております。

 そこで今回は、「ゆとり墓地」について解説したいと思います。

 「ゆとり墓地」とは、お墓の両隣(左右)にスペースを設けて、空間的なゆとりを確保した墓地のことです。
スペースにゆとりがあるので、周囲のお墓のことを気にせずお墓参りができ、お墓の掃除もし易いといった利点があります。 

 ゆとりで空いたスペースには、敷石を敷いたり板石で覆ったり、芝玉竜(たまりゅう)や芝生、もしくは綺麗なお花を植えたりして優雅な雰囲気の墓地もあります。
上記のようなゆとり部分の特色を表現して、墓所によっては、玉竜(たまりゅう)墓地、あるいはガーデニング墓地などとも呼ばれております。

 また、一年を通して植物が青々と茂っているために、緑地付墓地と言いかえて呼んでいる墓所もあるようです。

 ゆとり墓地は、墓地にゆとりのあるスペースがあることで、下記のようなメリットがあります。

「圧迫感が少なく、気兼ねなく墓参りができます」
墓地のスペースにゆとりがあるため、隣接したお墓と間隔が広めに空いているため圧迫感が少なくいので、気兼ねなくゆったりとした気持ちでお墓参りができます。
また、お墓の掃除の水が飛びはねてしまい、お隣の墓石やお供え物を汚してしまうなどの気配りも必要なくなります。

さらに、参道の幅も広くとっている場合が多いので、車椅子を利用してお墓参りをする方や、子ども連れの方がお墓参りをしやすくなっております。

「デザイン豊かな個性的なお墓にできます」
従来のお墓は、どうしても黒や灰色などのダークな色が多いために、暗いイメージでしたが、ゆとりのスペースに芝生や玉竜、お花を植えることで、青々とした緑や赤や黄色などの色を演出できるので、華やかで優雅な雰囲気にすることができます。

また、植栽スペースがある墓地の場合は、お花を植えることができるので、華やかに美しく飾ることができるので、故人の好みの花を植えたり個性的なデザイン装飾が可能です。

「お墓の手入れ・掃除が楽です」
一般的なお墓の手入れや掃除で特に手間がかかるのは、墓地の周囲に生える雑草の処理です。
しかし、ゆとり墓地の場合は、空いている場所に玉砂利を敷き詰めたり玉竜を植えたりするので、他の雑草が生えづらくなるので、雑草の処理をすることが少なくなります。

 上記のとおり、何かとメリットがある「ゆとり墓地」ですが、購入する際は下記の点に注意しましょう。

注意1、
ゆとりのスペースを設ける分、どうしてもご遺骨を入れるスペースは小さくなるため、それ以上区画の面積を広げられない場合は、将来、ご家族や子孫のご遺骨が納骨できなくなる可能性がありますので注意が必要です。

注意2、
墓所によっては、建てることのできる墓石のタイプが限られてしまう場合もありますので、事前に確認が必要です。

注意3、
ガーデニングなどで美しい景観のお墓にした場合、お墓の管理に手がかかるため、どうしても管理費が高くなる傾向もあります

 ゆとり墓地は、隣の区画との間隔を広くとったゆとりのスペースがあるお墓ですので、掃除が楽だったり、お参りがしやすいなどといったメリットがあるため、最近人気が高まっております。

形態は一つ一つの区画を広くとったものや、区画の境目がわからないようなものなど、様々なタイプのお墓がありますので、気になる墓地がありましたら、実際に現地に行ってご自身の目で見比べてご検討されることをおススメします。

 今回は、最近人気が高まりつつある、新しいタイプの墓地「ゆとり墓地」について解説させていただきました。
皆さまの終活のお役に立てましたら幸いです。
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