生前整理(断捨離)についてお教えします

生前整理

 終活をされる方が増えるとともに、最近耳にすることが多くなった「生前整理」という言葉ですが、実際は何をすることなのか、明確に分かっている方は多くはないと思います。

そこで今回は、終活における「生前整理」について、解説させていただきます。

 故人が残した品々(遺品)をご遺族が整理(処分)することを「遺品整理」というのに対し、自分が他界した後に遺された方(ご家族など)が、相続問題や自宅問題などで困ったり争ったりしないように、終活の一環として生前中に財産や住空間などで不要なものを整理することを「生前整理」と言います。
※断捨離(だんしゃり)という場合もあります。

生前整理を行うことで、次のようなメリットがあります。

1、死後に、遺された家族がおこなわなければならない遺品整理の負担が軽くなります。
2、生前に不要な財産などを処分することで、遺された家族の相続争いを回避できる確率
が上がります。
3、身の回りの物を整理・処分することで、自分の人生を振り返り、残された人生でしておきたい事が明確になってきます。

 『生前整理』は、決してネガティブなものでなく、家族の負担を軽減し、残された時間を有意義に過ごすために、本当に大切なものを確認し尊重することなのです。

 次に、生前整理とは具体的どのようなことをするのか、解説させていただきます。

1、財産の目録を作る
 先ずは、本当に必要な物を間違って処分してしまわぬように、財産目録の作成をいたしましょう。
財産目録の作成が終わったら、必要なものは、保管する部屋を決めておき、誰にでもわかるように仕分けしておくと、お亡くなりになったときにご家族が困りません。

なお、財産目録に記載する必要があるものは、主に下記についてです。
〇銀行・郵便貯金などの金融機関の預貯金通帳
〇保険関係(健康保険・生命保険)の保険証書
〇株券などの有価証券
〇不動産の権利書
〇所有している車やバイクの鍵と車検証など
〇絵画・書・壺などの美術・骨董品や、宝石・貴金属などの装飾品
〇ほか、資産価値の高いもの

2、長年使っていない物を処分する
 洋服や思い出の詰まった品など、処分できずついつい溜め込んでしまう物もあると思いますが、本当に必要な物以外は積極的に処分するように取り組みましょう。

 生前整理をする際に、物によって処分するものなのか残すものなのか悩まれる方が多いですが、そんな時は、ご自身が死んだあとでご家族に見られたいか見られたくないかということを、判断基準として考えるみると簡単に仕分けするができます。

 まだ価値がありそうな書籍(小説、単行本、学術書)などは、古本屋に売ると、結構高値で処分できる場合もございます。
最近流行っている、フリマアプリなどに売りに出すのもいいでしょう。
状態の良いものは、リサイクルショップなどの専門の業者に買取ってもらいましょう。

 昔の写真などは、年代別に整理して残しておくと子孫の方にとって、かけがえのない宝物となります。

さらに、生前整理は物品だけに限らず、「義理のお付き合い」をしているような人間関係も整理することで、不要な気遣いや無駄な交友費など負担を軽減することができます。

 なお、『生前整理』の作業は一人やご夫婦でされる方が多いようですが、ご家族や専門の業者に頼むとスムーズに整理することができます。

 最近、悪徳業者と知らずに生前整理を依頼してしまい、被害に遭ったという高齢者が増えておりますので、業者に依頼するときには、豊かな経験としっかりとしたノウハウを持った信頼できる会社に頼むことが大切です。

 生前整理は、いつまでにしなければならないという期限はありません。
体力があるうちに、あせらずゆっくりと時間をかけて少しずつ始めてはいかがでしょうか。

 今回は、「生前整理(断捨離)」について解説させていただきました。
皆さまの終活にお役立ていただけると幸いです。

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