公営斎場と民営斎場のメリットとデメリットについて

葬儀

 前回の記事で、葬儀場(斎場)には、自治体が運営している「公営斎場」と民間企業が運営する「民営斎場」があり、それぞれの違いについてご紹介させていただきましたが、各々特徴があり、条件や利用目的に合わせて、どちらの斎場を利用するのか分かれます。

そこで今回は、斎場(葬儀場)を選ぶ際の判断材料となりますように、「公営斎場」と「民営斎場」のメリットとデメリットについて解説させていただきます。

「公営斎場」
 公営斎場は、自治体(市区町村)が運営・管理を行っており、火葬場が併設されているところが多いです。

公営斎場には、下記のようなメリットがあります。

メリット1、葬儀の費用が抑えられる
 公営斎場は、お亡くなりになった方か祭祀(葬儀)を主催する遺族がその自治体の地域の住民である場合、利用料金は、自治体の居住者に対しては便宜が図られており、民営斎場に比べて割安になっているため、葬儀費用を抑えることができます。

メリット2、火葬場が併設されていることが多い
 公営斎場には、火葬場が併設されていることが多いです。
斎場に火葬場が無いと、斎場から火葬場に移動するためにバスやタクシーを借りる必要がありますが、火葬場が併設されて公営斎場の場合は、斎場から火葬場へ移動する必要がないため、バスやタクシーを借りる費用もかからず、また、移動する時間もないので、葬儀全体の時間の短縮も図れます。

 また、「葬儀から火葬まで」の葬儀一式が移することなく一つの場所で行うことができるため、高齢者が参加することが多い葬儀では、大きなメリットと言えます。

メリット3、葬儀会社が自由に選べる
 民営斎場の場合、葬儀会社やその関係会社が運営しているケースが多く、そういった場合は、その葬儀会社が葬儀を行うのが基本となります。
公営斎場は、斎場として葬儀の場所を貸しているだけですので、葬儀の行う際は、ご自身の希望に沿って葬儀会社を選び依頼することが可能です。

逆に、公営斎場のデメリットとして挙げられるのが下記の点です。

デメリット1、予約が取りにくい
 公営斎場を利用する場合の一番のデメリットは、予約が取りにくいことです。。
公営斎場は、民営斎場に比べ、施設数が少ないことと、住民が利用する場合は費用が安くなるため人気があり、予約が混んでいることが多いです。
そのため、希望している日に予約が集中すると予約が取れず、1週間程度待たなければならないケースも少なくないようです。
 また、自治体によっては住民以外予約できない場合があるようですので、注意が必要です。

デメリット2、設備が古いこともあります
 公営斎場は、自治体が運営しているため、民間が運営している斎場と比べ、どうしても施設が古びている施設が少なくありません。
民営斎場にはある設備が、公営斎場にはないといったことも多々あり、充実した設備の整った斎場で葬儀を行いたい方には、不満を感じる場合があります。
しかし、最新の公営斎場の中には、民営斎場と比べても遜色のない、かなり豪華な施設もあるようです。

デメリット3、交通アクセスが不便なことが多い
 公営斎場は、火葬場も併設されていることが多く、火葬場は基本的に街中でなく郊外に建てられていることが多いため、駅などから遠く交通のアクセスが不便な場所にある可能性が高いです。

デメリット4、住民以外は費用が割高になることが多い
 斎場を運営する自治体の住民以外の方が公営斎場を利用する場合は、料金が住民の費用より上乗せされることが多く、住民の利用料金より割高になってしまいます。
また、公営斎場を運営する自治体によっては、住民以外の方は施設そのものが利用ができない場合もあるようです。

「民営斎場」
 民営斎場は、主に葬儀会社や葬儀関係の会社、寺院などの民間企業が運営・管理をおこなっております。

民営斎場のメリットについては、主に下記の点が挙げられます。

メリット1、予約が取りやすいです
 民営斎場は公営斎場と比べ施設数が多いため、公営斎場と比べ予約が取りやすいです。
また、公営斎場は、自治体の運営のため、基本的に「地域の住民」を優先しておりますが、民営斎場は、基本的に、利用条件もどなたでも同じ条件なので、予約が空いていればどなたでも利用することが可能です。

メリット2、アクセスが良く利便性に優れているところが多い
 民営の斎場は、交通のアクセスが良いところにあることが多く、夜間の受け入れも対応しているところもあり、利用者や参列者の利便性に優れている施設が多いです。

メリット3、施設の設備や機能が充実している
 民営斎場は、葬儀をするために作られたところが多いため、駐車場や控室、会食場所など必要な設備が整っており、葬儀場の設備や控室はホテルのように豪華な作りになっており、サービス面も充実している施設が多いようです。

次に、民営斎場のデメリット面を挙げてみましょう


デメリット1、葬儀社を自由に選べないことがある
 民営斎場には、他の葬儀社でも利用できる貸し斎場と、運営している葬儀社(寺院)以外の葬儀社は利用できないところがあります。
葬儀社やその関係会社、寺院が運営する民営斎場の場合は、葬儀はその葬儀社に委託しなければならないので、葬儀社の選択肢はございませんので、事前に確認しておくことが大切です。

デメリット2、公営斎場と比べ費用が割高になってしまう
 自治体が税金で運営している公営斎場と比べ、民間企業が運営する民営斎場は、どうしても料金が割高になってしまいます。
また、基本料金でできる内容以外に任意で付加できるオプションが多いので、結果的に料金が高額になってしまうケースが少なくないようです。

 公営斎場は費用が安いため人気ですが、予約が取りづらく1週間待ちもあるようです。それに比べ、民営斎場は施設数も多いため予約が取りやすいのがメリットですが、利用する内容によっては費用が高額になることが多いので注意が必要です。

 今回は、「公営斎場と民営斎場のメリットとデメリット」について解説させていただきました。
葬儀をされる際のご参考になれば幸いです。

終活のすすめでは、今後も最新の終活情報を配信していきますので、ぜひ定期的にご訪問いただき記事のチェックなどよろしくお願いします。
【 過去の記事 】 記事一覧はこちら >>

墓じまいについてお教えします

 終活を進めていく中で、「お墓の維持の問題」については、避けては通れない重要事項の一つです。 従来は、お墓は先祖から代々から承継され守っていくことが当たり前...

墓地・霊園 

送骨についてお教えします

 先日、インターネットの記事で「遺骨をゆうパックで送って納骨する『送骨(そうこつ)』という供養方法の需要が高まっている」という記事を見かけました。  ちょっ...

墓地・霊園 

「お墓の継承者がいない方」へ、対処方法をお教えします。

 最近日本では、少子化や核家族化が進もとともに、都心部へ人口が集中してきていることで、「継承する子どもがいない」や「子供はいるが、他家に嫁いだ娘しかいない」...

墓地・霊園 

無縁仏になった後のお墓やご遺骨について

 最近の日本では、少子化と核家族化が進み家族関係や地域社会の希薄化などにより、お墓の承継者や管理者がいなくなったために、しかたなく「無縁仏」になってしまうケ...

墓地・霊園