分骨の方法についてお教えします
墓地・霊園
最近、地方から上京し地元から離れて都心部に暮す人が増えてきました。
そのような人たちが、田舎にあるお墓参りができないことを心苦しく思い、両親などのご遺骨を兄弟姉妹で分け供養をしたいと考え、それぞれお住いの近くにあるお墓や納骨堂などに「分骨」される方も増えているようです。
そこで今回は、分骨について簡単にご説明させていただきます。
「分骨」とは、言葉の通り“お骨を分けること”を意味する言葉で、ご遺骨の一部を菩提寺とは別の墓地や納骨堂などに安置したり、自宅に置いて供養するなど、ご遺骨を二箇所以上に分けて供養する方法のことです。
分骨すると仏様の魂を裂いてしまい成仏できない、生まれ変わった後にまで影響が及ぶといった話しを耳にすることがありますが、釈迦如来や各宗派の師のご遺骨もいくつかに分けて埋葬されているように、仏教においてはそのような教えはないそうです。
分骨は、分骨するご遺骨の状態により方法が変わってきますので、今回は「すでに埋葬されているご遺骨を新しい墓へ分骨する」方法についてご説明させていただきます。
【1】、まず初めに、現在ご遺骨が納骨されているお墓の管理者に、「分骨証明書」という証書を発行を申請します。
【2】、「分骨証明書」を発行してもらったら、石材店等へ連絡しご遺骨を取り出す作業を依頼します。
その時、仏具店等で必要数の骨壷を購入することも忘れてはいけません。
【3】、お墓のカロート(納骨棺)に納めてある骨壷を取り出して、分骨する部位のご遺骨を取り出し、事前に準備してあった別の骨壷に納めます。
なお、お墓からご遺骨を取り出す場合には、閉眼供養(へいがんくよう)という魂抜きの宗教儀式を行わなければなりませんので、菩提寺へ予め相談しておく必要があります。
【4】、分骨先のお墓の管理者に、元のお墓から発行された「分骨証明書」を提出しご遺骨を埋葬します。
以上で分骨は完了です。
都心部での核家族化が進むなか、ご家族の供養をもっと身近にしたいという観点から、分骨を希望する方が年々増えております。
なお、分骨をされる際は、菩提寺の管理者に事前に相談したうえで、親族の間で十分話し合うことが大切ではないでしょうか?
今回は、お墓の分骨の方法についてご紹介させていただきました。
皆さまの終活にお役立ていただけると幸いです。