エンディングノートを作成する際の注意点

終活全般

 「エンディングノート」とは、ご自分が亡くなった後や、病気などにより意思疎通が困難になったときに備え、家族にかかるであろう負担を減らすために、健康なうちにご自身の希望や想いを整理し、事前に家族やまわりの人々伝えたいことを書き留めておくノートや手紙のことをいいます。

 「エンディングノート」を作成しておくことで、あなたに万が一のことがあった場合に、遺されたご家族の負担を大幅に軽減することが可能になりますので、ぜひ、元気なうちに作成しておきたいものです。

「エンディングノート」の書き方については決まった形式はなく、ご自身がご家族や大切な方に伝え残しておきたいことを記載しておきますが、作成する上で注意しなければならない点が何点かあるようです。

そこで今回は、「エンディングノート」を作成する際に、注意しておきたいことについて解説したいと思います

 「エンディングノート」に必ず書かなければならない決まりはなく、個人によって内容は様々ですが、書き残しておきたい内容は、ご自身のプロフィールや現在の健康状態、延命措置をしたいかどうかといった医療面のことや介護の方法、葬儀やお墓についての希望、その他気がかりなことや、ご家族や大切な方への想いや伝えておきたいことなどを記載しておくといいでしょう。 

 決まった形式がないエンディングノートですが、作成する際は下記の点に注意しましょう。

紛失に気をつけましょう(個人情報の取り扱い)
 エンディングノートには個人情報や生前には知られたくない情報など、かなりデリケートな内容や個人情報が含まれます。そのため、取り扱いには細心の注意をはらいましょう。
資産に関することを記入する時は、エンディングノートを紛失した場合を想定して記入しましょう。

もし、万が一エンディングノートを紛失した場合、銀行口座の暗証番号やクレジットカード番号などを全て記入しておくと、他人に不正に利用されてしまう恐れがありますので、記入する内容は、あくまでも、家族に存在を伝えられる範囲の情報として、資産などの詳細情報(IDや暗証番号、パスワードなど)は記載せずに、別の安全なところに記載しておくことをおススメします。

保管する場所
 エンディングノートには、資産情報などかなり機密性の高い情報も記載しますので、第三者に見られないよう、保管する場所は金庫など安全なところにしておきましょう。
保管場所は金庫などにしておきましょう。

ただし、エンディングノートの存在自体誰も知らないと無意味になってしましますので、エンディングノートの存在と保管場所は信頼できる親しい人に知らせておくことが大切です。

作成は家族と相談しながら
 エンディングノートは基本的にご自身で作成するものですが、自分が書きたい内容を自由に書き進めていくと、ご家族が必要としている内容が欠落している場合があります。
エンディングノートを書き残す目的としては、死後にご家族が困らないようにすることが大切ですので、ご家族にとってどのようなことが書き残して欲しい内容なのか、ご家族とじっくり相談しながら、その希望を基にエンディングノートを作成するといいでしょう。

定期的に見直す
 エンディングノートを一度書いても、時間が経つと気持ちの変化が起きたり、健康状態や家族構成、資産状況や管理状態は随時変わっていくものですので、1年に一度など定期的に見直すことが大切です。
法制度の改正による相続の条件の変更や、ご家族との関係の変化なども起こった場合は、その時点でベストと思われる内容になるように柔軟な対応が必要となります。

法的な効力はありません
 エンディングノートには、相続や遺言のような内容を書くことが多いですが、それは単なる意思表示であり、残念ながら法的な拘束力は一切ありません。
なので、法的な拘束力が必要となる遺言を残す場合には、エンディングノートとは別に遺言書を作成する必要があります。
 
 なお、遺言書は法律に則った書式で作成しなければ法的に認められない場合がありますので、もしご不安な場合には、ご自身一人で作成するのではなく、弁護士や司法書士といった法律の専門家の方に相談することが大切です。

 エンディングノートは、いざ書こうと思っても、実際にノートに向かてみると「何をどう書いていいか分からない」となる方はたくさんおります。
また、書く項目が多いので、途中で挫折してしまう人も少なくありません。
そんな時は、最初から全ての項目を記入しようと思わず、少しずつ、頭に浮かんだ書けるところから記入していきましょう。

 今回は「エンディングノートを作成する際の注意点」について解説させていただきました。

 愛するご家族や大切な方のために、エンディングノートは生前に書き残しておきたいものです。
終活の一環として、エンディングノートを作成される際は、ぜひ、今回ご紹介した注意点の留意しながらお書きください。
【 過去の記事 】 記事一覧はこちら >>

墓じまいについてお教えします

 終活を進めていく中で、「お墓の維持の問題」については、避けては通れない重要事項の一つです。 従来は、お墓は先祖から代々から承継され守っていくことが当たり前...

墓地・霊園 

送骨についてお教えします

 先日、インターネットの記事で「遺骨をゆうパックで送って納骨する『送骨(そうこつ)』という供養方法の需要が高まっている」という記事を見かけました。  ちょっ...

墓地・霊園 

「お墓の継承者がいない方」へ、対処方法をお教えします。

 最近日本では、少子化や核家族化が進もとともに、都心部へ人口が集中してきていることで、「継承する子どもがいない」や「子供はいるが、他家に嫁いだ娘しかいない」...

墓地・霊園 

無縁仏になった後のお墓やご遺骨について

 最近の日本では、少子化と核家族化が進み家族関係や地域社会の希薄化などにより、お墓の承継者や管理者がいなくなったために、しかたなく「無縁仏」になってしまうケ...

墓地・霊園