夫婦墓(ふうふぼ)とは、

墓地・霊園

 少子化が進む日本において、お墓の継承者がいない、もしくは疎遠であるという理由で、最近、「夫婦墓(ふうふぼ)」を建てられる方が増えております。 

 今回は、そんな「夫婦墓」とはどういうお墓なのか、解説したいと思います。
 
 夫婦墓とは、夫婦二人だけが入るお墓のことで、比翼墓(ひよくぼ)とも呼ばれております。
夫婦墓のタイプも様々なスタイルがございます。

個人墓(永代供養墓)タイプ
 夫婦墓として一番多いタイプは、最初は一般的なお墓の形式で、期限が過ぎると合祀される個別墓(永代供養墓)タイプです。
お墓の墓標は「〇〇家之墓」ではなく、一般的には、右側が夫で左側に妻の戒名が刻まれ、二人の戒名が並んだ時、初めて夫婦墓として成り立ちます。
お子さんがいらっしゃらないなど、将来お墓を承継する人がいない場合がほとんどですので、三十三回忌もしくは五十回忌のタイミングでご遺骨が取り出され合祀されるのが一般的です。 

 このタイプ夫婦墓は、永代供養がほとんどなので、お墓の管理や供養(法要)は寺院(霊園)がおこなってくれるので、遺されたご家族や親族の手を煩わすことはございません。
生前に年間管理費を何十年分かを一回先払いすれば、以降は、管理費やお布施、寄付金など費用は一切かからないことがほとんどです。
※費用の相場は、70万円~180万円程度です。

樹木葬タイプ

 墓石ではなく樹木をシンボルツリーとして、その周りに遺骨を納める樹木葬には、一つの区画にご夫婦2人のご遺骨を埋葬する夫婦墓タイプがあります。
埋葬方法は、木の下に小さな納骨室を設置しその中に夫婦の遺骨の入った骨壺を埋葬する方法と、同じ木の下にご遺骨を埋葬する方法があります。

 夫婦墓タイプの樹木葬は、永代供養がほとんどですが、なかには年間管理料を支払わなければならないところもあるようです。
※費用の相場は、40万円~100万円程度です。

納骨堂タイプ
 屋外にある墓地ではなく、ご遺骨を納骨スペースに安置することができる「納骨堂」には、ご夫婦2人が1つの納骨スペースを使用できる夫婦墓があります。
個人墓タイプと同様に、一定期間が過ぎたら専用スペースからご遺骨が取り出され、供養塔などへ合祀されます。
ほとんどの納骨堂は、ご遺骨の管理や供養は納骨堂側で行ってくれる永代供養型です。
※費用相場は50万円~120万円程度です

 このように、夫婦墓と一言にいっても、その種類はさまざまです。
また、夫婦墓とは言っても、ご夫婦二人だけでなく3人以上埋葬されるケースもあります。
例えば、妻に先立たれてしまった夫が再婚して、前妻を納骨していた夫婦墓へ 、後妻も一緒に納骨される場合です。
同じお墓に三人が納骨されたとしても、夫婦墓であることは変わりありません。 

 夫婦墓は、子供たちや子孫、親族などに余計な手間をかけないようにするための、現代の新しいお墓の形です。
寺院や霊園によって、条件面や契約期間、後の費用の有無など様々ですので、事前にしっかり調べて確認しておくことが大切です。

 今回は、最近需要が増えている「夫婦墓」についてご紹介させていただきました。
皆さまの終活のお役に立てましたら幸いです。
次回は「夫婦墓のメリットとデメリット」について解説したいと思います。
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